聖マリアンナ医科大学病院初期臨床研修における小児科研修の期間は通常1~3か月間です。主に病棟の診療チームの一員として研修を行います。初期研修ではチームにおける役割と協調を学び、その上で初期臨床研修医に求められる知識、経験を習得。
病棟の診療チームは、リーダーとなるキャリア10~15年目の医師と、研修医より数学年上の医師ら、3~5名程度で構成されます。チームが担当する疾患は指導医の専門性により異なりますが、特定の領域の疾患のみに偏ることはありません。専門性の高い診療の中においても、プライマリケアを学ぶことができます。
指導医は、穏やかで丁寧な指導をモットーとしており、気後れせずに質問できる雰囲気があります。各チームの医師全員で研修医が質問・相談しやすい環境をつくるよう常に努力しています。
研修医の日常は小児科に限らず多忙なものですが、当小児科の職場には、オン・オフの切り替えが明確であるという特徴があります。当直明けも定時の9時に帰宅できるよう職場全体が協力するため、「指導医が残っているから帰れない」といった雰囲気はありません。
抄読会、症例検討会では、科学論文の読み方、プレゼンテーションの方法などを学んでいただきます。情報を整理、要約して、限られた時間内で、相手に伝えることは、診療の場においても求められる重要な技術です。また、研究会、学術集会などにおける発表を推奨、指導しています。
聖マリアンナ医科大学病院臨床研修センターでは、通常プログラムの他に、小児科重点プログラム、産婦人科重点プログラムを用意しています。
小児科重点プログラムでは、1年次に大学病院小児科を2ヶ月、2年次に新生児NICUを含む4~6ヶ月間を小児系診療科で研修することが可能です。期間を長く取ることができるため、大学病院、川崎市立多摩病院、横浜市西部病院の異なる病院の小児科研修を組み合わせて研修が行えます。それぞれの病院で異なる疾患や、救急体制を経験でき、初期研修のうちから小児医療の幅広さを実感できるでしょう。初期研修のうちから新生児NICU研修を体験できることも大きなメリットです。研修期間を反映して手技を学ぶ機会も必然的に多くなり、自信を持って専攻医研修へ入ることができます。
産婦人科重点プログラムにおいても、新生児NICU研修を用意しています。新生児専門指導医から直接、新生児医療の指導を受けることは産婦人科専攻医でも多くはありません。新生児蘇生法をはじめとした手技の経験はもちろん重要ですが、新生児科側の立場を経験すること自体が、産婦人科と新生児科の協同の重要性を再認識する良い機会となるはずです。
総合診療的側面を持った小児科で幅広い疾患を研修し、こどもを診察することや保護者の方への説明を体験することは、どの診療科に進むにせよ、必ず意義深い経験になるでしょう。初期臨床研修医の時間は限られた貴重な時間でもあります。小児科研修を選択した期間が最大限活きたものになるよう、協力して指導にあたっています。将来の進路に関わらず、多くの初期研修医が小児科研修を経験してくれることを願っています。
聖マリアンナ医科大学病院初期臨床研修の詳細は、臨床研修センターのホームページをご覧ください。